D1 GRAND PRIX

D1 GRAND PRIXとは

D1 GRAND PRIX（D1 GP）は、ドリフト走行の技術を競い合うモータースポーツの選手権です。この選手権は、2000年に「全日本プロドリフト選手権」としてスタートし、2001年からは現在の名称で開催されています。単にスピードを競うのではなく、ドリフトの美しさや迫力を評価の対象とし、芸術的な側面も持つのがこの競技の魅力です。近年では、年間6～10戦によるシリーズ戦として、国内のトップドライバーが集う場所となっています。

歴史

D1 GPのルーツは、1995年に開催された「ドリフト統一チャンピオン決定戦」に遡ります。この大会に参加した選手たちの活躍がきっかけで、ドリフト競技の統一されたルールが形成され、2000年には初のプロドリフトイベントがエビスサーキットで実施されました。このイベントには賞金が設けられたこともあり、プロフェッショナルな舞台が作られる契機となりました。

競技内容

D1 GPは、「単走」と「追走」の2種目によって構成されており、各ラウンドで両種目の1位が決まります。単走では選手が個々に走行し、そのパフォーマンスが採点されます。追走では2台が同時に走行し、お互いの接近度や美しさが評価されます。

2013年からは従来の目視による採点に代わり、GPSと角速度センサーを利用したD1 Original Scoring System（DOSS）が導入され、より正確な採点が可能になりました。これにより、速度、角度、安定性が数値化され、より公平な競技環境が整えられました。

車両の特性

競技に使用される車両は快適な走行ができるよう改造された市販車であり、多くはFR（後輪駆動）の構造を持っています。特に日産シルビア（S15）は、長年にわたり人気のベース車両です。選手たちは強力なエンジンを搭載することで、800馬力以上のパフォーマンスを発揮することが常です。また、D1 GPではリアラジエーターの使用が許可されており、前後重量配分の最適化が図られています。

タイヤ戦争

この競技では、タイヤメーカー間での競争が激化しており、2007年からは市販タイヤメーカーのチームが参加することにより、さらなる技術革新が進んでいます。アジアの新興メーカーが次々に参入する中、国産メーカーは競争力を失いつつあり、タイヤ選びが非常に重要な要素となっています。

最近の動向

2022年には新たに海外シリーズがリスタートし、D1 GPは国内の枠を超えた活動を行っています。特に、東南アジアシリーズや韓国シリーズなど、国際的な広がりを見せています。2024年には、JAFの日本ドリフト選手権が正式に設立され、D1 GPはその一環として位置付けられることとなりました。

結論

D1 GRAND PRIXは、単なるモータースポーツの枠を超え、ドリフトを文化として育て上げています。ドライバーたちの熱い戦いが、多くのファンを魅了し続ける要因です。ドリフトの技術、美しさ、そして競技そのものの進化は、今後も期待できることでしょう。

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